今年から年齢的な区別のなくなるエリートカテゴリーに上がった。日本では年齢別のレースが少ないので、実際の活動は去年と大きな違いはない。ただ、年齢でレースの言い訳はできなくなった。そんな僕の毎日の生活がどんなのかと言うと、まず、朝起きて朝食を済ませ、午前中から練習に出掛ける。今は、チームのトレーナーにプログラムを作ってもらっているのでそれをこなすのが日課だ。練習から帰ると、時間に追われるようにアルバイトに出掛ける。いつも時間ギリギリに家を出るので、大抵の日は全開で自転車漕いで汗だくでバイト先に到着する。ミネラルウォーターを売っている店で働いているのだが、店番が一人なので気楽だ。選手らしく水飲んでストレッチをしながら、でもしっかり働いている。時々近くに住んでる選手仲間が遊びに来てくれたり、彼女連れて来たりで楽しい一時もある。
そんなアルバイトを終えると本屋になんとなく立ち寄り、一通り雑誌を見て自転車の雑誌もチェックしたりする。自転車雑誌を覗くと、最近見るたびに考えさせられる記事がある。僕はエリート1年目だが、世界の81年生まれも当然みんなエリート1年目だ。今までは、各国の同い年の選手達もアンダー23のカテゴリーだったわけで、日本の雑誌に載ることは殆どなかった。しかし、エリートのビッグレースともなればもちろん取り上げられる。そしてその記事の中に、考えられないくらい高いレベルのレースで活躍する81年生まれの選手がドッと出てきたのだ。
ジロ・デ・イタリア総合優勝、ツール・ド・フランス初日優勝・・・同い歳の選手の活躍が大きく記事になっている。もちろん単純に比べるものではないし、環境の差はよく分かっている。ただ、数年前はまだ同じレースを走れたし、彼らに付いていこうと必死に走りそんな中で可能性を体感していた。差を詰めてやるという思いで走ってきたはずなのに、気が付けば同じスタートラインに並ぶ事もできなくなっている。
ヨーロッパでは23歳が節目の年齢とされ、プロ選手になり活躍しはじめる選手と、芽が出ずにその歳でキッパリ辞めてしまう選手に分かれる。果たして自分がヨーロッパに生まれてそこにいたら、どちらになっていたのだろうか?日本では自転車を続けることに関して、ある程度自分自身で選択できる環境がある。それが良い事か悪い事かは別にして、今自分がそんな時期に来ているのは事実だ。現実的には、まず日本のレースで活躍できることを第一の目標とし、今ある環境から上を目指していかなくてならない。そしていずれ「彼ら」と再び同じスタートラインに並びレースをしたい。その気持ちが続く限りは競技を続けていこうと思う。
こうしていつも雑誌を見ながら気持ちを新たにして自転車に励んでいる。今、自分の生活は勉強になる事も多いし、今後の人生にとってプラスになる時間だと感じているのだが、時々、こんな時間の使い方をしていては時間がかかりすぎると焦る時もある。とりあえず、早くアルバイトをしなくてもいい選手になりたい。
「エリート1年目」、今までにない「焦り」というパワーを学んだ。
|
|
| プロフィール |
| 石田哲也 選手
高評価を受けるエリートライダー
ジュニア時代から多くの優勝を経験し、日本代表として世界選手権にも出場。'02年は門田杯で優勝し、その実力を改めてアピールした。加入以来、そのまじめで前向きな性格から、皆に愛され、期待を寄せられている。チーム2年目となる今シーズン、エリートクラスへの昇格を迎えた。
|
| |
|