国内レースが年々盛り上がりを見せる中、意外にもタイムトライアルを走る機会は少ない。
TOJの富士ステージと、栂池ヒルクライムor秋田での日本選手権、それから北海道でのプロローグと、シーズン中3回しかチャンスがない。
これ程にT.T.を走る機会が少ない国は、日本以外にあるのだろうか?
元々、タイムよりも着順で勝負を決するロードレースに於いて、タイムという概念は軽んじられてきた。しかしスピード化が顕著になってきている世界のロードレース界では、タイムや出力といった普遍的な数字と向き合っていかなければ成らない事は明らかな事実。
トラック出身のオーストラリアライダーが活躍している事は、この証明の一つだ。
昨年カタールで行われたアジア大会でも、男女共にタイムトライアルを制したのは中国の選手だった。オリンピックに向けての強化が形になって現れてきている。
今、我々選手に求められるのは、国内での優劣付けが最優先事項ではない。
戦わなければならない相手は名前のある固有の選手ではなく、世界基準だと思う。
陸上の世界では幾つかのランクがついた世界標準タイムが設定されている。たとえ日本選手権で勝っても、タイムが基準をクリアしなければ世界選手権へは派遣されない。そうする事で、関心は自ずと世界へ向いていくだろうし、世界がより身近になる。
競技者たる者は、テレビ画面だけから世界を感じ取ってはいけない。
毎年6月に、秋田で行われている日本選手権のタイムトライアル。2001年に優勝した事は、既に過去の栄光に過ぎない。そこから毎年、自身のタイムは落ちて来ている。僅かずつだが確実に。
元々体格的には大きくないので、上りの栂池に路線を変更しようかと悩んだ時期もあった。
しかし選手生活中に追い求めてきた理想を、今更ながら変更する事は難しい。残されたチャンスが何回あるのかは分からないけど、今年もラストチャンスのつもりでトライする。
スタート台に上った時の強気な気持ちのまま30kmを走ってゴールラインを切れたなら、必ずベストタイムが出ると思う。
今から6年前に出したタイムを1秒でも上回ったなら、6年掛けた価値があるのだと思う。
世界基準という相手に挑む前に、倒すべきは過去の記録だ。
30km、時間にして約40分のレースをフォーカスしたまま、これからの数ヶ月を掛けて入念に準備して行こうと思う。
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プロフィール |
柿沼 章 選手
チームキャプテン
'01年全日本個人ロードT.T.チャンピオンの実績が物語るように、高い独走力には定評がある。性格的にも非常に真面目で、若い選手の多いチームでは、選手として人間として、良い手本となっている。'06年は鈴木真理の活躍を影で支え続け、'07年からはキャプテンとしてチームを引っ張る。
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ミヤタスバルレーシングチーム
HP
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