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| プロフィール |
中村 忍
(なかむら しのぶ)氏
1961年愛知県出身。
京都産大OB。
1985年7月より自転車世界旅行に出発。4年4ヶ月で27ヶ国37000km走破。
日本アドベンチャーサイクリストクラブ沖縄支部長。
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20才の時に1ヶ月間ユーレイルパスを使って欧州を旅した。
その旅は、世界を見る事の素晴らしさや、身体全体で感じる旅の楽しみを教えてくれたと同時に、後から振り返ってみると、
“旅から何かを学ぶのなら、押し切せではない苦しさを伴った旅も良いのではないか?”
という、新しい旅のスタイルへのヒントも与えてくれた。
これで“世界を走る”こととなった新しい旅は前途洋々!
と言いたいところなのだが、飛行機の窓から小さくなっていく大阪の街を眼下に見ながら言い様の無い不安に襲われた。
世界旅行の起点はオーストラリア西岸のパース。
先ずはブリスベーンまでのオーストラリア横断だ!
シンガポール経由でパースに到着した時は午前3時頃。
機内で隣り合わせた人が家に招いてくれて、3泊させてもらう間に準備を整え、
1985年7月4日。ペダルを踏みしめ世界に轍を印した。
しかし、1時間もしないうちに奈落の底に突き落とされた。交通事故である。
運転手が急にドアを開けたため、避ける間も無く接触して転倒。
顔面を打ったようであるが、右腕で顔を覆っていたため出血した以外はどうなったのか見当がつかなかった。
周囲がざわめき人垣ができ、自転車ともども歩道に運ばれた。
救急車に乗せられ病院に運ばれ、すぐに傷口の縫合をする。
終わると自転車の受け取りと事故の聴取のために警察署に行った。
鏡で見ると鼻の周囲や頬には血がこびり付いていて、顔の真中にガーゼがはられていた。傷は思ったほどはひどくなかった様であったが、まさに眉間であり、不幸中の幸い。もしもどちらかに数センチでもずれていたら片方の目は・・・という有様だった。
事情聴取を担当した警官は私の英語力の無さに愛想を尽かし、翌日通訳を呼ぶとの事でその日は終了。
最後に「この街に知り合いはいるのか?」と聞かれ、機内で知り合った人の事を話すと、暫くして家族で私を引き取りに来てくれた。
数日前に知り合ったばかりの、自転車とともにやって来た日本人に対するこの人たちの親切さはどこから来るのだろう、と思うと、人目を憚らず泣き出してしまった。
通訳は50才くらいの物腰の柔らかそうな日本人女性(おそらく在パース日本総領事夫人)。
一通りの事を済ませた後で、自分の事、自転車旅行の事、機内で知り合った人達の事を話し、「どうして皆さんはこれほどまでに親切なんですか?」と聞くと、その方は「それはあなたが良い人だからですよ」と言って下さった。
この事故は走行第1日目に起こった。
気持ちが大きくなって注意不足だったのは確かだが、多くの事を学ぶ貴重な経験・教訓になった。
この出来事が数年にわたる旅のスタートであり、この時の思いが私を支え続けた。
親切にして頂いた方へ私が出来ることは無事に旅を終える事と心に誓って再出発。
オーストラリア・北米・欧州・中東と27ヶ国37000kmを走破する事ができた。
あの女性の言葉はいつまでも心に響き、それに恥じない様に生きていきたいと思っている。
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オーストラリア・ナラボー平原で見た注意を喚起する看板・・・。 |
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旅先で出会った子供達 |
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