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| プロフィール |
遠山 健(とおやまけん)
1964年10月阿佐ヶ谷生まれ。四年前勤めていた学校法人が前代未聞の解散して以来失職。以後非常勤講師、雑文の執筆、篆刻彫り、ホイール組み、料理の講師などをしながら、どうにか食いつなぐ。この六月からは日本救急メッセンジャーに参加し、なんと七月からは中古自転車店まで開店と、不惑の四十を前に惑惑(ワクワク)の活動に勤しんでいる。
日本救急メッセンジャーのHP |
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この六月の『サイクルスポーツ』 の記事をみたとき、思わず膝をたたいたものだった。世田谷に日本救急メッセンジャーというNPOが発足するという。なにやら慢性的交通渋滞をかかえる都会で、自転車の機動力を活かして救急活動を行う、今まで自分が漠然と考えてきた事柄が一気に実現化する予感が走ったのである。
まずは自転車という乗り物。こいつは公害を出すことなく、体に休息と栄養を与えることによって地球の果てまで移動できる底知れぬ機動力を持つ、単純で美しい乗り物である。これを買い物と駅までの移動のみに限定するのはいかにももったいない、もっと創造的で有効な利用方法はないだろうか?
数年前入院した際、非常に後悔したのが自分の将来の選択肢に医者という職業がなかったこと。目の前にある命を直に助けることによって得られるであろう充実感、そしてそれを通しての己の生の実感。こうしたものに遅蒔きながらも、接することはできないか?
また、齢四十を前にして、社会保障その他信頼できるものが無い世の中で、人的関係と相互扶助以外に一体なにがあるのだろう?
以上の疑問がみごとに交差したのが「日本救急メッセンジャー」だったのだ。早速メンバーとなり、今は会員宅周辺を自転車で周回しながら、新会員募集のビラまきという地道な活動に勤しんでいるのである。
しかし、私はこの活動を起点に日本で自転車の可能性を爆発的に広げようという下心を抱いている。
その青写真は以下の通りである。ご存じの通り、日本はマラソン大国である。世界で活躍できるトップレーサーの数だけでなく、マラソンを支える競技人口の多さという点でも大国ということができるだろう。これを利用しない手はない。
昨年高橋尚子選手が一週間の世界記録をヨーロッパで出したことは記憶に新しいだろう。私もそれをテレビ画面でみていたのだが、そこでレース展開よりも目についたのが、マラソン競技を支える自転車部隊の活躍であった。彼らが具体的にやっていたことは、わからない。しかし、新鮮な酸素を必要とする選手の前後を排気ガスを排出する乗り物が走行することに、異常な程違和感を感じていた私には、実に正鵠を得た活動に見えたのだった。
トップレースのサポートはともかく、各地で開かれる市民ランナーたちの大会に救急装備をし、無線を担いだ自転車部隊ができることは決して少なくないはずである。実際六月上旬に炎天下で行われた、エンデューロ大会にサポートに行った経験からも、自信を持って主張することができる。これから日本において行われる各地のマラソン大会で、自転車が主体となってサポートするという形式を発足していく活動として、日本救急メッセンジャーは非常に大きいといえるし、また自転車の宣伝効果としても莫大なものといえるだろう。
そしてまだその下にさらに深い下心がある。マラソン大会で自転車のサポート部隊が主流になったとしたら、次に目指すはアレである。
つまり、日本中で最も注目を受ける長距離走の大会といえば、言わずとしれた箱根駅伝であろう。あのサポートを自転車が行うのだ。しかもそれだけではない、あの白バイが目下行っている先導役を、自転車でやるのである、これが実現したら実に見物であろう。特に、湯本から箱根の山を駆け上がるコースで、選手も悲鳴を上げる峠道を自転車で先導するシーンを想像してみてほしい。どちらに注目が集まるだろうか?もちろん建前は、「選手に、排気ガスを吸わせるな!」であるが、その実は「駅伝とは別に見応えのある、自転車レースの存在を知ってよね!」ということでもある。
自転車といえば、ママチャリでの買い物か賭博の競輪しかないという日本の中で、手探りながらその可能性を探っていくこと。この一端に日々のビラまきと会員宅周回という地道な活動をがある、と少々強引ながら位置づけている。
(文:遠山 健 / 写真:日本救急メッセンジャー) |
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