| チームメカを務めて既に十数年の歳月が経ちましたが、
今まで様々な選手の自転車を組み、色々と勉強をしてきました。
その経験を生かしながら「最高の組み付けを目指す」という目標を常に自分へ課し、
現在も日々作業を続けています。
ここ数年、フレーム、パーツコンポ、ホイールと、全ての性能や精度、剛性などが上がり、驚異的なスピードでハード面の進化は続いています。
その結果、ある程度の工具と知識が少しあれば、
殆どの方はロードレーサーなどを自分で組み立てることが可能になりました。
しかし、競技用機材として性能を追求した場合、
ただ自転車の形になっているだけでは不十分です。
選手にとって、レース中のトラブルは、即、負けにつながります。
最高の自転車と言うのは、値段の高いフレームとパーツをただ漠然と組みあげたものでは決してありません。
バランスの取れたフレームとパーツを精確に組み、軽く、快適に、そしてトラブル無く
走れるレーサーを目指す。
では、どのようにしたら、精確に組めるのか?
1.基本は各マニュアルを守る。
2.フレーム基準精度確認(アライメント)
3.ホイール基準精度確認(アライメント)
4.締め付けトルク・各部の適正クリアランス
5.精度の出ている工具を使う
6.パーツごとに専用ケミカルを使う
上記を守り、徹底的に精度をだすこと。(言葉では簡単だが経験と時間が必要)
精度を最初に追求するという事は、未然にトラブルが防げる事と、ホイールであれば、
いちいち片効き調整をしなくても済みます。
現在のフレーム、パーツ、ホイールの精度は、量産であるがゆえに、
精度の幅がまだ甘い部分があります。
その、精度を出しつつ、適正なクリアランス調整をしながら組み、
また、選手からのアドバイスを受けながら、微調整をしていきます。
そうすることにより、最高の自転車が出来ると確信します。
また、メンテナンスをする事により、常に良い状態で自転車が維持でき、軽く、快適に乗れます。
一概にメンテナンスと言っても色々ありますが、
最低でも、洗車と注油(チェーン、各駆動部)をするだけでもパーツの持ちとトラブルは減ります。
以上のことが、自転車整備に対する持論です。
私は、手を抜くということがあまり好きではないメカニックです。
ですから、選手の自転車を組み上げたり、整備することにも、
常に全力で打ち込むのが当たり前と考えています。
己の肉体を日々のトレーニングで鍛え上げ、究極までダイエットした選手達の体は、
私が整備した自転車に通ずる何かがあります。
選手の努力と、私の拘りとが融合して勝利を獲得した時、
本当の意味でのチューンナップが完成するのかもしれません。
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