トライアスロンを始めて7年目、社会人になって3シーズン目を迎える今年、私の人生を変える転機が訪れた。そこそこで中途半端な自分というのを何年も変えられず、自己嫌悪に陥る時期が長く続いたが、そんな折、トライアスロン界では異色の若手、平松弘道選手と出会った。
彼の始めた事業“SUNNY FISH”は、東京世田谷の駒沢にあるスポーツクラブのプールを借りて朝のスイム練習を展開するというもの。彼自身も一緒に練習し、コーチには競泳選手を指導しているベテランコーチを迎えている。会員さんのほとんどが平松弘道という人間を見て、彼の生き様に影響を受け、そして応援している。
彼は自分の練習環境をゼロから自分で作り上げ、たくさんのトライアスリートに練習の場を与えたのだ。そして新しい事業展開として、今年1月から夜スイムの部をスタートしたいという要望を受け、練習環境を与えてもらう代わりにそのクラスの指導を私が受け持つこととなった。“SUNNY FISH”の所属選手兼スタッフとしての生活が始まったのだ。
トライアスロンは学生までと決めてやめていってしまう者がとても多い。そのほとんどは将来に不安を抱き、金銭難はもちろん練習環境の整備が上手くいかず、伸び悩み、引退していく。
だが私はやめたくなかった。私にとってのトライアスロンとは他人との競争以前に自分との戦いの場であり、自分を表現できる唯一のものだと考えているからだ。だから自分が自身を認められるまでこのトライアスロンという競技をして生きていきたいと考えている。
しかし、このご時勢にトライアスロンという競技で食べていけるのはトップ選手の一握り。では私達が生き残るためには・・・。
“やったモン勝ち!”私たちの会話によく出てくる言葉。そう何事もやってみなきゃ何も始まらないし、何も手に入らない。近年では若手選手たちが自分達の手でチームを作り始め、新しい活動の情報が至る所から入ってくるようになった。
皆、より良い環境を求め、自身の競技力を高めたいと考える一方、トライアスロン競技をもっと広めたいと願っているのだろう。新しい道を切り開いていくことは容易な事ではなく、時間的にも体力的にも選手にとってはきつい活動となる。しかし、私達中堅選手の頑張りなくして日本のトライアスロン界の底上げ、発展は図れないはずだ。
私達は怖いもの知らずの行動力を武器にチャレンジし続けることができる。形に囚われず柔軟な考えを持つことができる。そんな若手トライアスリートがたくさん必要なのかもしれない。ちょっとやそっとウザがられたって、始めてしまえば粘り強く“続けたモン勝ち”なのだから。
“SUNNY FISH”のスタッフとなって私が最近常々思うことは、トライアスリートは超ド級のマゾばかりだということ(笑)。早朝6時から仕事前に1時間半のスイム練。バイクで仕事場まで行って仕事が終わればジョギングに繰り出す。一般人から見たら間違いなく変人扱いだ。
しかももっと驚くのは、朝泳ぎたいと考える人がもの凄くたくさんいるということ。トライアスロンは自分と向き合える最高のスポーツだと思うが、会員さんのハマリ様にはこちらも圧倒させられっぱなしだ。しかも、なんと(!)朝のスイム練はキャンセル待ちが出ているくらいなのだから人間の向上心は本当に凄い。
話しは変わって、最近では、ドラフティングレースになってから軽視されがちだったバイクパートに改革を起こしたいと考える選手が増え、キャパを広げる為、トライアスリートがバイクのロードレースに参加するようになった。応援に駆けつけた私自身もレースを間近で見て、想像以上の興奮を覚え、バイクに対する価値観がどんどん変わってきている。
そんな私たちのもっぱらの話題は、これから先のトライアスロンのレース展開にバイクのチームプレーが加わったらどんなに面白いものになるか。そんな話をあーでもない、こーでもないと話しているときの皆の活き活きとした顔が本当にいい。想像を膨らませ実現させる手順を踏む。こいつらならやってしまうんじゃないかと思わせる勢いが、周りも前向きに変えていく。
私自身、苦手意識の強かったバイクが彼等からのちょっとしたキッカケでいつの間にか好きになり、今では克服しつつある。怖がらず決めつけず、一歩踏み出したら世界が変わったのだから本当に感謝してもしきれない。
その根性、負けられん・・・っと思わせてくれるたくさんの会員さんに、果てしなくトライアスロンネタで盛り上がれる練習仲間。環境が選手を育てるとよく言うけど、本当其の通り。
そして、実力がまだまだにも関わらずサポートしてくださっているたくさんのスポンサーさんあっての今の生活。もちろん、練習・バイト・家事と時間に追われてはいるが充実した日々に間違いはない。安定もないし蓄えもないけど、この生活を選んで本当に良かった!
同じような境遇でやっている若手アスリート! 共に頑張ろう!!
そして、トライアスロンは過酷な競技と言われるけれど、始めてしまえばもうこっちのもの。もし、もう自転車はやってるけどトライアスロンはちょっと水泳が・・・っと思っている方がいたら、是非“SUNNY FISH”へ!!

05年「日本選手権」を疾走する大河内選手

今年、自閉症の障害を持つ会員さんとツアーを組んで「タイメコン川大会」へ!