私がパナレーサーのタイヤと出会ったのは確か10数年前だと思う。それまではずっとチューブラータイヤを練習にもレースにも使っており、WOのリムや今で言う「完組ホイール」なんてほとんどなかった時代だった。あの当時はWOタイヤとチューブラータイヤとの差は歴然としていたように感じる。その後数年間は練習、レースともチューブラータイヤをずっと使用していた。そして、昨年所属していたチームにパナレーサーがスポンサーについていただけることになり、再びパナレーサーのタイヤに乗らせてもらえることになったのだ。人間の身体は、特に感覚的なことは年月が経ってもかなり明確に覚えているもので、数年前のイメージで「エクストリーム・バリアント」にまたがった。走り出した瞬間、これまでのWOタイヤのイメージが一瞬のうちにして覆されたのを覚えている。走行抵抗の軽さはともかく、グリップ力の高さに驚かされた。「何このタイヤ??」正直な気持ちだった。チームを移籍し、今年から「TACURINO―MBK」で走らせてもらえることになったが、そこでもパナレーサーとはご縁があったようで、再びパナレーサーのタイヤにお世話になることとなった。
そして、私の仕事が高校の自転車部の監督ということもあり、部員たちにもパナレーサーのタイヤを勧めている。高校生だから自転車をやっていくのに「お金」は出来る限りかからないほうがいい。しかし、自転車を続けていくかぎり、強くなりたいと思えば思うほど、この「お金」という問題が大きくのしかかる現実がある。たしかに安価なタイヤは高校生にはおすすめだが、パンクの率が非常に高いと思う。その点、「エクストリーム・DURO」なんて高校生にはうってつけだと私は思う。耐パンク性、耐磨耗性、どれをとってもこれがベストだと私が判断したから、部員に勧めているのだ。「自転車競技」を続けていくのには、本当に「お金」がかかる。機材スポーツでもあるから、できるかぎりいいものを使いたいという気持ちもわかる。しかし、私が毎日部員から感じ取っているものは、ただ純粋に「強くなりたい」と努力する、彼らの気持ちである。私自身の高校は進学校だったので、スポーツなんてものはまったく関係なかったし、勉強は「やっている」というより「やらされている」という方が正しかった。いつも思うのだが、自分の半分くらいの年頃の部員たちが「強くなりたい」という確固たる意志の元、ペダルを回す姿は尊敬するとともに感動する。こんな部員たちには、出来る限り「お金がかかる現実」を気にすることなく強くなってほしいと思う。
実は私は「TACURINO―MBK」というチームに所属しながら、わがままを聞いてもらい、「ナカガワ」に乗っている。これには理由があり、MBKさん側にも理由を説明し、了承していただいている。私1人のわがままを許していただいていることに、本当に感謝している。その理由とは、私がナカガワに乗ることにより、部員達の自転車も、私の自転車(ナカガワ)と同じ待遇で万全なアフターサービスをしてもらっていることだ。練習すればするほど、自転車という乗り物は悲鳴をあげる。そんな自転車を普通の自転車屋へ持っていけば、部員たちにあの問題がのしかかる。その負担を私がどうにかして減らしてやりたいと考えた結果が、ナカガワに乗る事だった。現在のチームの方針が変われば、もちろん私のわがままも通用しないが、今現在、私が自転車に乗っていられるのも、わがままを受け入れてくださっている、MBKの幸壬さんや、中川さんのおかげであると思う。この場を借りて感謝とお礼の気持ちを伝えたい。
最後に、私はこれまで本当にいろいろな人と出会ってきたと思う。自転車競技を志すようになってからは、特に自分の場合、弱かった(今もぜんぜん大したことはないが)ので、どのようにして強くなろうか考えてきた。自転車を始めてから10年近くは自己流でやってきたので、「間違いだらけ」に気付くのに10年かかった。それだけセンスがなかったのだと思う。もし、自転車を始めたころにいろいろ教えてくれる人がいたなら、私の戦績ももう少しはましだったかもしれない。
自転車の才能はこれまでまったく感じたことはないが、人よりは強くなるために試行錯誤してきたと思うし、自転車のことを考えていられる時間も、人には負けないと思う。
真剣に自転車と向き合ってきたから、これまで本当の「出会い」があったと思う。
これまでの「出会い」のわずか1つでも欠ければ、今、私は「TACURINO―MBK」にも、この仕事にも就いていないと真剣に思う。
何も、真剣に野球をする人が全員、長嶋監督に出会えると言っているわけじゃない。真剣に考え努力すれば、その人生の時々で、必ず自分の人生に影響をあたえてくれる「人」に出会えると思う。少なくとも自分の場合はそうだった。
今のチームに在籍していれることだって、パナレーサーのタイヤで走れることだって、全ていままで真剣に考え、努力し、感謝してきたからだと私は思う。
部員達との出会いにも感謝している。高校生は強くなりだしたら、とにかく早い。正直言ってウラヤマシイ。ダッシュの練習でも、監督である私を容赦なく差し込んでくる。「ちょっとは監督に華を持たせるってことをしらんのか?」と思うが、彼らとのATハートレイト以上の領域でのやり取りは、非常にエキサイティングだし、勉強になる。
自分が勝って泣くのが先か、部員が勝つのを見て泣くのが先か。
努力と感謝の先にあるものは・・・

「TACURINO―MBK」の選手として、そして高校自転車部の監督として今日も走り続ける・・・
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